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【教員向けワークショップ】山本先生に学ぶ「議論につながる『問い』を活かした政治学習」

2018年9月21日に山本智也先生(筑波大学附属駒場中・高等学校 教諭)を講師とした「けんみん会議 教員向けワークショップ」を東京・日本橋のWASEDA NEO会議室で開催し、約20名が参加しました。

· 主権者教育,政治教育,シティズンシップ教育,教員向けワークショップ,山本智也

■次第

  • 日時:9月21日(金)19:00~21:00
  • 場所:WASEDA NEO 5階(東京都中央区日本橋1丁目4−1 コレド日本橋)
  • 共催:早稲田大学マニフェスト研究所 http://www.waseda-manifesto.jp/
  • 内容:①山本先生の授業実践を体験、②授業についての質疑応答・討論
  • 講師:山本智也先生(筑波大学附属駒場中・高等学校 教諭)
  • 議論につながる「問い」を活かした政治学習
  • 授業の狙い:主権者教育では、政治のしくみをルールブック的に学ぶことにとどまらず、政治事象を自分の頭で考える習慣をつけることが重要です。そのための「問い」(主発問、討議課題)をつくるポイントは何でしょうか?また、限られた授業時間の中で、「問い」を活かして考え、議論する活動をどのようにデザインできるでしょうか?授業例をたたき台に、議論しながら考えていきたいと思います。

■模擬授業「議論につながる『問い』を活かした政治学習」

山本先生による模擬授業は「代表制」について考えることから始まりました。

資料をもとに「代表制」が抱える課題を説明してから、山本先生と参加者との対話が始まります。

「色々な問題があることがわかっていながら、なぜ、日本を含む各国は代表制を採用しているの?」

「代表として立派な人が選ばれるから。」
「立派な人って、どんな人?」
「能力や知識がある人。徳の高い人。例えば・・・」

山本先生は、「言葉」を大切にしながら対話を深めていきます。
特に、「正しい」や「間違っている」といった判断を含む言葉は「なぜ、そう判断できるのか」といったことを問い返すことで、クラス全体での共通認識を作りながら議論を深めている姿が印象的でした。

一通り、クラスの意見を確認した後に行われたのは「国民投票制度」を題材にしたマイクロディベートです。
生徒を3人1組に分け、賛成派、反対派、審判、に割り振り、進行します。

  • 賛成する主張は4点あります・・・
  • 私は、反対です。例えば、すでに選挙で民意が示されているのに国民投票もすることは二度手間になるのではないでしょうか・・・

ディベートの合図とともに、各地から議論の声が聞こえてきます。
誕生日順に役割を指定してしまう。発言時間を90秒などに設定することでリズムよく進行する。審判から報告・クラスへの共有を行うことで、全員が参画するなどの工夫は教授法としてもなるほど、と気づかされるものでした。

 

ディベートの後も、審判から共有された議論の模様・勝敗判定の理由について山本先生がリードして議論が起こります。

  • 国民投票が導入されると、不人気政策が決められなくなってしまうことが決め手となり、反対派の勝利としました。
  • でも、代表制であるならば、不人気な取組みは採用されなくてもよいのではないですか?
    肯定側の勝利としたグループはいかがですか?・・・

山本先生の授業は、生徒に答えを与えるというよりも、問いかけ、一緒に考えていくスタンスで進行していきます。
マイクロディベートを通して「代表制」の課題を確認したことを受けて、本来の授業では複数回にわたり理解を深めていくことになりますが、模擬授業はここで1区切り。この後は授業に関するコメントシートを基に質疑応答を行い、最後に「議論につながる『問い』」をクラス全体で討議しました。

 

山本先生からは各社の教科書から抜粋された政治分野での「問い」の事例集が提示され、参加者から様々な意見が引き出されます。

  1. 「説明」につながる問い
  2. 「議論」につながる問い
  3. 「行動」につながる問い

山本先生が事前に用意してくださっていた質問の類型は2種類でしたが、ディスカッションを踏まえて3つめの質問の分類も追加され、(参加者にとっても講師にとっても)気づきのある模擬授業は終了となりました。

■質疑応答模様

けんみん会議が開催する教員向けWSが目指すのは、参加者の学びだけではなく、模擬授業を実施いただく先生にとっても学ぶところのある場づくりです。

当日も活発な質疑応答がなされました。

  • ディベートへの参加意識を高めるために、途中で審判が議論に参加できるようにしてもよいのではないか?
    →そういった設えにしている取組があることも承知している。もし実践されている方がいたら共有して欲しい。(その後、参加者とのディスカッションが展開されました。)
  • ディベートのテーマはどのように選んでいるのか。ディベートに適したテーマとそうでないテーマがあるのではないか。
    →感情的になりがちなテーマの扱いには気をつけつつも、あえてそれらのテーマを用いることもある。自分にとって異質なものを主張せざるをえなくなった中で、相手の立場を考える、共感できるようになることもあるし、そういった能力は政治教育の中で必要なものではないだろうか。  等々

講師を務めていただいた山本先生も、参加した先生方も、よりよい授業とするために真剣な議論が繰り広げられ、この日のワークショップは終了を迎えました。

■今後の予定

けんみん会議では、今後も主権者教育に取り組む先生方の授業を体験し、今後の授業づくりに活かしていくことのできる場づくりに取り組んでいきます。

今後も、隔月での開催(次回は11月予定)を予定していますので、ご興味のある方はぜひご参加ください。

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